販売促進型価格設定
価格設定には、原価などよりも販売促進に重点を置いたものがあります。
通例、価格設定は、設定の視点は様々ですが、原価を割らないことが鉄則です。
しかし、ときには一部の製品を捨石(ロスリーダー)的に用いて、意図的に原価を大きく割りこむ価格設定が行われる場合もあります。
価格自体に販促効果はありませんが、設定方法によって販促機能を持たせることができます。例えば、「今日の目玉製品」などと称して、破格のプロダクトが店頭に並ぶことがあります。
通常価格が10個で200円程度の卵が4分の1の50円で売られたり、家電量販店の開店イベントでカラーテレビが5,000円で売られたりする場合などが販売促進型価格設定の一例です。
このような価格設定を「ロスリーダー価格設定」といいます。
スポーツプロダクトでも同じような例があります。
あるテニススクールで入会金無料やテニスラケットプレゼントを特典として、新規顧客の獲得を目指したとします。
この場合、スクール側は入会時点ですぐに利益を確保しようとは考えていません。
あくまでこれらの特典で顧客を呼び込み、継続して利用してもらうことで、利益を出そうと考えているのです。
美容室などでも「定価1万円のコースを初回の方に限り3,000円!」などという見出しで新規顧客の獲得を図ることがあります。
この場合もまず自店の雰囲気や技術を試してもらい、後に続けて利用してもらおうという意図が含まれています。
ただし、競合が多い場合は他店も同じ戦略をとる場合が多く、いわゆる「美容室ジプシー」のように初回割引を狙って、各店舗をわたり歩く顧客もいます。
このような顧客はチェリーピッカー(イイトコどり)と呼ばれることもあり、消費者は非常にシビアな行動をとります。
この点を理解し新規顧客獲得が成功した後の関係作りについての検討も不可欠です。