アンブッシュ・マーケティングとは、
アンブッシュ・マーケティングとは、その企業はオフィシャルスポンサーとしての契約がないまま、ライセンシーのような戦略をとるマーケティング手法です。
アンブッシュ(ambush)とは、「奇襲攻撃」という意味で、ライセンサーからすれば、不意打ちをくらったように思います。
ナイキは、この種のマーケティングを展開することがあり、「アンブッシュ・マーケティングの達人」という、必ずしも名誉とはいえない異名もあるそうです。
アンブッシュ・マーケティングには、2つの目的があるとされています。
一つは、オフィシャルスポンサーとなったライバル企業のスポンサー効果を弱めるためであり、もう一つは、自社をあたかもオフィシャルスポンサーかそれに準ずる存在であるかのように消費者に認識させ、そこから生じるブランド価値を流用するためです。
アンブッシュ・マーケティングは違法性を帯びることが多いので、ライセンシーは事前に、ライバル企業のそうした行為に対して断固たる法的な対抗策を検討しておく必要があります。またライセンサーとなるチームや団体も、こうした動きには留意しておく必要があるでしょう。
とはいえ、ナイキのアンブッシュ戦略は、マーケターとしては、大いに見習う部分があるといえます。
まず、1984年のロサンジェルス・オリンピックで「I LOVE LA」キャンペーンを展開しました。
これによって、開催都市ロサンジェルスとのつながりを強調し、ナイキはオフィシャルスポンサーではないのに、あたかもオリンピックと深いつながりを持っているかのような印象を与え、大きな成果を得ました。
この他にも便乗商法と一般に呼ばれる手法があり、人気や流行にうまく乗って収益を上げるといったことがよく行われています。
この便乗商法は、商標や知的財産の無断使用に対しては対策をとる必要がありますが、市場拡大の役割も一部担っているという考え方もできます。