ライセンシングの意義とメリット
スポーツマーケティングでは、ライセンシングが重要な意味を持っています。
というのは、スポーツでは、ライセンスを知的財産として活用することが戦略の一つとなるからです。
そこで、ライセンシングについて説明しておきたいと思います。
あるスポーツチームの名称やロゴがTシャツなどの衣類や文具、雑貨などにプリントされて販売されているのを見たことがあると思います。
ある企業や個人が独自の技術やノウハウなどを第三者が使用する場合には、ライセンス契約といって使用許可を得る必要があります。
ライセンス契約の対象には、特許、実用新案、意匠、商標などの登録済のもののほかに、出願中の知的財産(IP:Intellectual property)、さらには営業秘密(trade secrets)や技術上の秘密、ノウハウ、著作物に関する権利(copy rights)などがあります。
先のようなグッズの製作や販売は、チームからライセンスを取得した企業のみが、その権利を与えられます。
つまり、チームの名称やロゴが無形の財産である「トレードマーク(商標)」として価値を持つのです。
スポーツでのライセンサー(ライセンスを与える側)として有名なのは、IOC(国際オリンピック委員会)、FIFA(国際サッカー連盟)などが挙げられます。
またこうした組織からライセンスを与えられるライセンシー(ライセンスを受ける側。
ライセンサーから商標などの使用を許可された者)には、ミズノやアディダス、ナイキほか多くのスポーツ用品メーカーなどが挙げられます。
IOCやFIFAなどの名称やロゴは、商標登録されていて、知的財産と見なされます。
商標は、ブランドそのものではありませんが、商標を製品に付けたり、自社がオフィシャルスポンサーであることを知らせたりすれば、企業イメージの向上にもつながります。
このように、ライセンスを与えることは、そのスポーツ組織の権威や人気が高いほど、ライセンシーにとっても大きなメリットがあるわけです。
つまり名称やロゴ、あるいは所属選手の氏名や肖像などは、スポーツチームや組織にとって重要な位置を占める財産であることを自覚する必要があるのです。
そこで留意すべきは、ライセンシーの選定です。
ライセンシーとは戦略パートナーの関係となるわけです。仮にライセンシーに不祥事が起きたり、ライセンス製品に不備があったりすれば、ライセンサーであるチームや組織にも損害が及ぶこともあるからです。
もう一つ、気を付けておきたいのはアンブッシュ・マーケティング対策です。