ブランド・エクイティ成立の条件とは、
ブランド・エクイティ(Brand Equity)は、ブランドを資産と見なし、それが持つ資産価値を意味します。
equityとは、もともと自己資本を意味する言葉です。ブランドは、プロダクトや企業などへの信頼感、知名度の向上など無形の価値を持っています。
それを資産として評価するのが、ブランド・エクイティです。
ブランド・エクイティを成立させるには、常にブランド・コントロールを行い、組織的な努力が必要です。
次にブランド・エクイティを成立させるために行うべき項目を3点紹介します。
ブランド認知を高める
ブランド認知とは、そのブランドを消費者が知っているということです。
例えば、「野球は、巨人」、「シューズはナイキ」というように、消費者が試合を観戦したり製品を購入したりしようとする際などに、そのブランドが候補に上ることをいいます。
ブランド認知を高めることはブランド・エクイティの向上に直接結び付きます。
ブランド連想のバリエーションを増やす
ブランド連想とは、そのブランド名を見たり聞いたりしたときに、消費者が抱く「想い」を指します。
それは、「ユニクロは安くておしゃれなカジュアル」というイメージ的なものから、「去年の誕生日にアディダスのウェアを買った」という個人的なものまで含まれます。
ブランド・エクイティ成立の条件
ポジティブなブランド連想を顧客に抱かせることがブランド・エクイティの向上にとって重要です。
ブランド連想の代表的なものとしては、ブランド・アイデンティティとブランド・パーソナリティがあります。
ブランド・アイデンティティとは、企業がブランド構築を進める際に、事前に創造し、発信し、維持したいイメージのことです。
またブランド・パーソナリティとは、人間の個性と同様に、ブランドの個性を擬人化して捉えるものです。
「誠実」「前向き」「洗練されている」「ゴージャス」「素朴」「上品」「女性らしい」などがそれにあたります。
知覚品質を高める
知覚品質とは、顧客から見た製品の主観的な品質を指します。
ここで注意すべきは知覚品質と本当の品質は常に一致するとは限らないという点です。
メーカーがせっかく素晴らしい品質の商品を作って提供したとしても、適切な説明がなされていないと、消費者の知覚品質が相応に上がってこないということはよくあることです。
スポーツウェアを例にとれば、実は吸水性や通気性に富む一方で保温性に優れている素材を使っているため、冬は暖かく、夏は涼しく快適に着用できる製品であったとしても、消費者は見た目だけではわかりません。
消費者にそうした質の良さを理解させ、知覚品質を上げるには、使われている素材の質の良さやテスト結果(体温の変化など)を消費者にわかりやすいように提示しなければならないのです。