生涯スポーツの社会システム化:社会事業の7つの視点

生涯スポーツ

生涯スポーツの社会システム化

スポーツは、若い世代のもの、というイメージがあるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。

幼児期のスポーツ、児童期のスポーツ、少年期のスポーツ、青年期のスポーツ、壮年期のスポーツ、高齢期のスポーツといった各段階を通じた「生涯スポーツ」への取り組みを提案しています。

スポーツを生涯楽しむ方法の一つに「関わり方やスタンスを変える」ということがあります。

例えば、若いときにマラソンや野球などをしていた人が、年齢を経て観戦者側に回ってスポーツを楽しむ、というようなことです。

もう一つの方法は、「負荷が低い運動」としてのスポーツを行うことです。

高齢になると、じっとしているほど、衰えやすくなります。

もちろんハードな運動は無理にしても、適度に楽しみながら体を動かすことは、健康的にも精神的にも良い状態を保つことができます。

つまり、学校教育下の「体育」とはまた違った意味で「体育」となるわけです。

高齢者向けのスポーツとしてはゲートボールが有名ですが、そのほかにもウォーキングやハイキング、ゴルフなど、比較的負担が少なく楽しめるスポーツが多くあります。

あるいは、遊びの要素を加えた輪投げや的当てや玉入れ、ボーリングなども適しています。

広義には、ニンテンドーのWiiなどのゲーム機で楽しむ軽い運動も負荷が低いので高齢者にも向いているといえます。

企業向けのマーケティングでは、LTV(生涯価値)という概念があります。

1人の顧客から生涯で得られる価値です。スポーツでもこうした視点を取り入れて、生涯スポーツに関わっていける状態を作ることが重要です。

仮に幼児期、児童期、少年期、青年期、壮年期、高齢期のスポーツとの関わりを一連のシステムとして成立させるといった事業は、今後大きな期待が寄せられる総合型地域スポーツクラブにとって、主な事業課題です。

また、スポーツは旅行や観光といった楽しみ方を加えることで、スポーツ自体の価値を高めて生涯にわたって楽しむといったことが可能です。

従来の参加型や観戦型の立場に、旅行といったレジャー性を取り入れた事業も「生涯スポーツ」を考えるにあたって大切です。

これは、スポーツ旅行と呼ばれていましたが、最近はスポーツに観光事業全般を加え、「スポーツツーリズム」といわれています。

このスポーツツーリズムについては、8-8節で詳しく紹介します。

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