ブランドスイッチング対策
一般に、消費者は常に良い条件で製品やサービスを手に入れようとします。
そのため、ブランド・ロイヤルティ(brand loyalty:4-6節参照)が確立していない場合には、現在の製品より価格が安いものが現れれば、そちらに移行する可能性があります。
それは歯磨き粉や歯ブラシのような日用品から、衣類、行きつけのカフェ、フィットネスクラブなど対象が何であれ起こりうることです。
スポーツの場合は、「参加型」「観戦型」のいずれに関しても、ブランドを変更する際には、スイッチングコストがかかります。
スイッチングコストとは、ブランド変更に伴う時間的、労力的な負担やコスト負担などのことをいいます。
例えば、ある消費者があるメーカーのゴルフセットを購入し使用していたところ、別のメーカーがより優れたゴルフセットを出したので、すべての道具を買い替えるというケースを考えてみましょう。
買い替えるだけで、かなりの出費になります。しかも使い方や感触、メンテナンスなどの付加サービスが微妙に違うのでその習得にも、ある程度の時間や労力がかかることになるでしょう。
ファンが応援するチームを変えることも、このブランドスイッチに含まれます。
ブランドスイッチを起こさせないためには、消費者にスイッチングコストの大きさを認識させると同時に、ブランド・ロイヤルティを高めることが大切です。
多くのファンを抱えるチームなどの場合には、リレーションシップ・マーケティング(4-5節参照)の項目でも述べたように、日頃からファンとの関係性を深めておくことが、ブランド・ロイヤルティを高める方法として最も重要といえるでしょう。