株主やスポンサー、サポート企業との関係づくり
株主やスポンサー、サポート企業との関係づくりも安定的な運営を行う上で重視する必要があります。
スポーツビジネスに必要な資金の出資や協賛といった役割を果たすのが、株主、スポンサー、サポート企業などです。
今日、その存在なくしてスポーツビジネスが成り立つスポーツ団体は、ほとんどありません。
株主などから見れば、チームの人気や認知度が上がれば、株主の知名度が上がるなどのプラス効果がもたらされるというメリットがありますが、反対にチームが不祥事を起こしたりすれば、その悪影響が株主に及ぶことも当然考えられます。
したがって株主やスポンサー、サポート企業に接する際に大事なことは、相手の立場や状況を理解しコミュニケーションを取りながら協働していくということです。
株主との関係で重要なのは日頃から緊密かつタイムリーな報告を行い、意思疎通を図っておくことです。
NFLのグリーンベイパッカーズの例を挙げると、一般市民が100%株主となっている米国で唯一のチームです。
約11万人の市民がそれぞれ株を所有しているのですが、売買は禁止されていて配当金も出ません。
それでも市民はグリーンベイパッカーズの株主であることを誇りに思い、楽しんでいます。
また小さな町の市民球団の富裕層や企業オーナーのチームに立ち向かう姿が全米で支持されています。
グッズの売上も常に上位に入っており、ホームスタジアムのシーズンチケットは1960年以降、売り切れ状態が続き、順番待ちが約6万人以上います。
あわせて重要なのが情報公開です。
近年、企業不祥事が数多く起きている背景から、コーポレート・ガバナンス(企業統治)が強く求められるようになりました。
それと共に、アカウンタビリティ(説明責任)が問われることも多くなりました。
ましてや株主には、資産提供を受けるわけですので、株主への説明責任はチームにとって必須事項の一つといえます。
また、上場企業が株主に向けてIR(投資家向け広報活動)を熱心に行うように、スポーツチームもスポンサーやサポート企業等に適切な情報提供を行う必要があります。
なお、スポーツ組織のステークホルダーとして忘れてはならないのは、組織のウェブサイト制作やプロモーションを担っている関連産業です。
また、オフィシャルグッズやスポーツ用品などのメーカー、販売店なども重要なステークホルダーです。