スポーツマーケティングと非営利組織マーケティング
スポーツと公共性は、切っても切れないものがあります。
それはスポーツが社会と深くかかわっている分野だからです。
社会と深くかかわっているといえば、非営利組織も同じような側面があります。
非営利組織とは、営利を目的とせず、公益性を持つ組織や団体のことをいい、学校、病院、介護施設、宗教法人などが含まれます。
実は、スポーツ組織と非営利組織には、このこと以外にも共通点が数多く存在しています。
代表的な共通点は、公衆の多様性、目的の複合性、サービス性、公開審査性です。
以下、これらについて順に紹介します。
公衆の多様性
スポーツ組織も非営利組織も一般企業に比べ、向かい合う公衆が多様です。ここでいう「公衆」とは、社会一般の人々を指します。
非営利組織でいえば、学校の場合、授業を受ける生徒と学費を払う保護者、寄付金を払う者や文部科学省や地方の機関、その他、卒業生が勤める企業など、多くの公衆が存在します。
チーム形態のスポーツ組織の場合は、競技に参加する選手や監督、コーチ、運営スタッフ、その他、本拠地の自治体や住民、応援するファン、競技チームを束ねる協会などが公衆といえます。
野球やサッカーなど人気のプロスポーツは、社会的注目度が高いためメディアで取り上げられることも多いです。
そのため、取材などを行う報道関係者も広い意味では公衆に含まれるといえるでしょう。
目的の複合性
非営利組織の目的は、複合的である場合が多いです。
大学の目的は、一般的に教育や研究成果を上げることであり、近年では地域社会との交流、産学連携などが期待され、実に多彩になっています。
スポーツチームの場合、戦績の向上はもとよりファンの満足、スポーツを通じた地域貢献、企業としての存在感や産業としての成立、そしてさらにスポーツの発展と振興など多くの複合的な目的があります。