スポーツマーケティングと非営利組織マーケティングの共通点(2)-2

チーム

サービス性

非営利組織の提供するものは、物的なプロダクトというよりも無形のサービスが中心となります。

病院は医療サービス、学校は教育サービス、教会は宗教的サービス、政府や自治体は国民への公的なサービスを提供しています。

スポーツ組織としてのスポーツチームは、試合の観戦という無形のサービスを提供しています。

フィットネスクラブの場合は、スポーツができる施設を提供しているのですが、実際は器具そのものを販売するというよりはスポーツができる環境を提供しているわけですから、サービスを提供していると考えてよいでしょう。

また、各競技の技術を教える各種スポーツスクールも同じくサービスを提供していることになります。

公開審査性

公開審査性とは、文字どおり「公」の審査ということです。

一般に非営利組織は営利組織よりも世間の厳しい目にさらされ、常に評価を受ける対象になっているということです。

非営利組織の一つである病院は医療ミス、学校は進学率や教師の質、いじめ問題など常に世間の評価を受ける立場にあります。

例えば、野球界で起きた2004年の大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併問題などでも、スポーツの公開審査性が顕著となりました。

両チームの選手のストライキの影響がプロ野球界全体、ひいては社会的関心事へと瞬く間に広がって行き、この問題は野球ファンだけでなく一般市民の間でも賛否両論が起こるなど社会全体の問題として取り上げられました。

本来、球団同士の合併は企業間における合併のようなものですので、該当する企業の株主や従業員の間の限定的な範囲での問題ですが、現実にはそうはなりませんでした。

この出来事からわかるように、スポーツには公開審査性という非常に高い側面があることがよくわかります。

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