スポーツにおける公共性
スポーツでベネフィットと共に重視されるのが、公共性です。
しかし、一口に公共性といわれても理解しづらいものです。
そもそも公共性とは、なんでしょうか?
辞書などでは、社会一般に利害や正義にかかわる性質や度合いを示す言葉であると定義されています。
スポーツは基本的に、個人レベルというよりも、ある程度広い範囲に影響する性質を有する社会性を持っています。
スポーツには、ヨガやストレッチなど個人の家の中で行えるものもありますが、スポーツは一般的に、体育館やプール、グランドといった公共の施設を利用します。
ジョギングやウォーキングも公園や一般の道路で行えば、公共の場を利用することになります。
また、オリンピックやFIFAワールドカップやWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などの国際大会では、基本的には誰もが自国のチームを応援します。
つまり、スポーツの国際大会は、ナショナリズムを実感し、推進する場となるのです。
国際大会以外でも、特定のチームを応援する人同士で生まれる連帯感やコミュニティのような共同体も、ある意味、スポーツの公共性を示す要素といえるでしょう。
このようにスポーツは公共性が高いプロダクトですので、プロダクトとして生産する側(スポーツチームやスポーツ施設の運営者など)には、公正な事業運営や情報公開性、およびアカウンタビリティ(説明責任)などの社会的責任が求められます。
プロスポーツチームと公共性
プロスポーツチームのフランチャイズの存在は、地域の自治体に影響を与え、知名度や経済効果の向上につながる場合もあります。
スポーツビジネスとして「営む」の視点の重要性となります。
「営む」という立場は、当然、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)が伴います。
CSRとは、
では、CSRとはなんでしょうか。
企業は、利益の追求を主な目的としています。しかしそれだけでは、社会との関わりや責任を果たしているとはいえません。
企業体としての一連の活動が社会に与える影響に対しても責任を持ち、関連する多くのステークホルダーとうまく協働しながら社会での信頼を得ていくことになります。
こうしたCSRを果たすための活動は一般にCSR活動と呼ばれ、多くの企業が取り組んでいます。