マーケティング・リサーチとは、

マーケティングリサーチ

マーケティング・リサーチの意義と手順

サービスの提供においては、担当者自身はもとより経営責任者も現場に立ち顧客の目線になることが重要です。

とはいえ、実質的に経営責任者自らが現場 に立ち続けることは難しいでしょう。

そこで有効となる手法の一つが、マーケティング・リサーチです。

マーケティング・リサーチは、主に市場の状況や消費者ニーズを把握するために行われるもので、基本的には環境分析によって洗い出された課題、一般消費者、顧客、見込み客などを対象としたものです。

また場合によっては、従業員自身が対象となることもあります。

また最近は、店舗や企業の対応を評価するために、顧客に成りすましたいわ ゆる覆面調査員が潜入調査を行い、サービスの良し悪しを判定する手法なども 取られています。

ときどき、マーケティング=マーケティング・リサーチと思い込んでいる人 やマーケティング・リサーチを情報収集と同義と捉えている人を見かけます。

これらは、いずれも間違いです。

マーケティング・リサーチは、マーケティングの一手段に過ぎず、また情報収集の一環でしかありません。

スポーツ組織に関しては、それほどリサーチが積極的に行われている事例はあまりないようですが、効率良くマーケティングを展開する上で、ぜひ取り入れたい手法の一つです。

とはいえ、ただ漠然とリサーチを行っても時間と費用の無駄になってしまいます。

そこで一般的なマーケティング・リサーチの手順を紹介しておきましょう。

①リサーチの目的を確定する。

②リサーチの手法を選択する。

③データを収集する。

④データを分析する。

⑤報告書を作成する。

順に説明していきましょう。

リサーチの目的を確定する

現状の問題点、課題などを洗い出し、その原因や改善点などについて仮説を 立ててみます。

例えば、観客動員数が減少している、グッズの売れ行きが悪くなっているなど現状で気になっていることを抽出していきます。

それらをもとに今回のリサーチの主な目的を選択します。

リサーチの手法を選択する

①で洗い出した目的を達成するための手法を選択します。

アンケート調査では、どうしてもたくさんの情報を得ようと欲が出て質問が増えたり方法が複雑になったりしがちです。

しかし、肝心の回答数が集まらなくてはリサーチの意味がありませんので、質問はある程度目的に合ったものに絞り込むべきでしょう。

また作業そのものも煩雑になりがちですので、調査メンバー同士でスケジュールをよく検討し効率良くデータ収集を行えるように細かいところまで詰めておきます。

データを収集する

リサーチしたい内容をまとめ、調査を実施します。

調査方法には次のようなものがあります。

①面接法
対象者に直接面接して調査員が質問に対する回答を得る方法です。

②留置法
調査員が調査票を配布し一定期間経過後に回収する方法です。

③電話調査
調査員が対象者に電話にて質問する方法です。

④郵送法
調査票を対象者に郵送し返信用封筒などで返送してもらう方法です。

⑤インターネット調査
電子メールやウェブサイトを通じて調査を呼びかけ、回答を集める方法です。

これには対象者を絞る場合と不特定多数に呼びかける場合があります。

データを分析する

収集したデータを分析します。

分析に当たっては、一次データと二次データを組み合わせて行うことが多いです。

一次データとは、調査で対象者から直接収集したデータです。

スポーツ組織の場合はすでにスポーツプロダクトを購入している人たちなどから得た情報です。

それをもとに市場規模や今後の動向、購買意思決定の仕組みなどを検討します。

また二次データとは、一般に官公庁や金融機関等を通じて入手できるデータ です。

スポーツ組織の場合は競合する組織についての情報です。

その組織が獲得している市場シェア、財務状況、経営方針、その他の特色について情報を収集します。

報告書の作成

分析をもとに導き出される結論や改善点等を報告書にまとめます。

データの記録はもちろん、そのときに考えたこと、感じたことなどもあわせてまとめておきましょう。

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