スポーツを通じた国際交流
近年、急激に若い人々の留学が減少しています。
各国の出来事が世界的規模で広がるグローバル化が進む中、どうして国際感覚が身に付く留学が減少するのでしょうか。
経済的な要因はあるとは思いますが、戦後、日本がまだまだ貧しく先進国へと発展していく高度成長期の過程において、海外への憧れや期待は、常にありました。
これは、日本人が萎縮してしまったということでしょうか。それとも日本人が世界で、通用しない、または役割を担えないということでしょうか。
決してそうではないと思います。多くの人は、世界に興味を持ち、行ってみたいと思っているはずです。
スポーツを通じた国際交流というのは、スポーツを手段として世界の国々と交流する機会を作ることで、交流を通して少しでも世界に興味を持ち、世界へ意識を高めるきっかけとなる可能性があるからです。
スポーツ競技では、多くの日本人が世界を目指して羽ばたいています。
サッカー界は、育成システムも進んでおり、国際大会や親善試合など常に世界を意識した取り組みがなされています。
すべての選手が世界で活躍するわけではありませんが、若い段階で世界を意識し、世界で通用することを目指すというのはすばらしいことです。
世界を意識するということは、スポーツの世界以外の一般企業や社会でも重要なことです。
有力企業は国内のみならず、世界を視野に事業展開をしています。
今後、重要視される国際感覚を体験するきっかけとしても、スポーツの国際交流は重要な意義があります。
野球界においては、残念なことに「選手の海外流出」などということが、話題になるようです。
いろいろな事情もあり一概にはいえませんが、「世界に挑戦すること」への理解と野球界にもたらされる有意性の認識が足りないのでは、と思うことがあります。
主催者側のメジャーリーグ機構と意見が合わず、参加表明が遅れた影響もあり、開催当初あまり注目されなかった第1回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、誤審なども話題になりましたが、選手たちの活躍もあって最終的には優勝を遂げました。
続く、第2回WBCは、一部球団の選手不参加などはありましたが、イチロー選手の活躍や現役メジャーリーガー、プロ野球のトップ選手たちが活躍し、感動的なフィナーレを迎えました。
では、次回の第3回WBCをイメージしてください。現在、第3回WBCで活躍する可能性のある日本人メジャーリーガーは、何人いますか。
この状況で、果たして過去と同じような結果が望めるのでしょうか。
今後、スポーツを通じた国際交流も事業として成立する可能性が非常に高いと思われます。
交流のコーディネイトや通訳の手配、研修や講習の機会、その他イベントとしての可能性などが検討されます。
また、スポーツを通じた国際交流は、観光と組み合わせることで、観光振興という役割も担います。
語学は当然のこととして、このほかスポーツ関連として、トレーニング手法やコーチング、運営方法に関するスポーツ・マネジメント学や最近のスポーツビジネスの成功事例など、学ぶことは枚挙にいとまがありません。