マーケティング・プランの作成は、マーケティング活動のPDCAサイクルの“P(Plan)”の部分に当たります。
活動を効果的に進めるために、はじめにマーケティング・プランを立てます。
マーケティング・プランに関しては、フィリップ・コトラーが提示するステップがわかりやすいので紹介しておきます。
マーケティング・プラン・ステップ(1)状況分析
自社を取り巻く環境について検討する。
マーケティング・プラン・ステップ(2)目標
状況分析の結果をもとに目標達成の予定を立てる。
マーケティング・プラン・ステップ(3)戦略
目標達成に向けた最も効果的な方法を選ぶ。
マーケティング・プラン・ステップ(4)戦術
戦略を達成するための施策を決定する。
マーケティング・プラン・ステップ(5)予算
目標達成に必要な諸費用を合計し、策定する。
マーケティング・プラン・ステップ(6)管理
プランの進捗状況を確認する具体的な方法や基準を定める。
スポーツチームのマーケティング・プランに当てはめてみましょう。
状況分析
自分たちのチームが行っている競技(野球、サッカー、ゴルフなど)、スポーツの普及度、関与度などを分析します。
目標
状況分析の結果をもとに、目標達成の予定を立てる。
例えば、クラブチームなら、いつまでに観客動員数を○○○○名にする、チケット売上額を○○○円に するなどです。
その他サポータークラブの会員を○○○名にするなどという目標なども考えられます。
戦略
立てた目標の達成に向けた最も効果的な戦略を考えます。
観客動員数を増やすには、チケット販売のチャネルを拡大したりイベント等で他のチームと の差別化戦略を徹底したりすることがあります。
また、先にも述べたように、メディア戦略を充実させメディアに極力多く露出し、扱いを大きくしてもらう方 法も有効です。
戦術
仮に動員観客数を増やすという目標を立てた場合、それに向けてのあらゆる戦術を検討し決定します。
プロモーション手法の場合、ポスター掲示やチラシ配布、ウェブサイトでの告知、広告掲載なども視野に入れて検討し決定します。
予算
目標達成に必要な諸費用を計上し、その調達法を検討し決定します。
管理
プランの進捗状況を確認する具体的な方法や基準を決めておきます。
プランが進行し始めるとそれで手一杯となり確認などがおろそかになりがちです。
そこで事前に具体的な確認方法やルールを決めておくのです。
例えば、毎月の観客動員数を確認し、何パーセント増なら、そのまま計画を続行し、増加率が何パーセントを切ると戦術を見直す、という具合です。
コトラーは、企業においては、計画の全体を見通して上手にマーケティング・プランを作っているところは少ないと指摘しています。
仮に計画されていても実効性に欠ける場合が多いようです。
過去の数値やデータがあいまいでデータばかりが先行して肝心の戦略が手薄になっていたりするためです。
より効果的に組織としての目的を達成するためには、目標、戦略、戦術、予算、管理などの要素を組織の方針に沿って調整しながら、バランスよく計画を進め ることが重要です。
いずれにしても、目標達成の確率をより高くするには、情報を多面的に収集 し、それをベースに仮説を立て、シミュレーションを実施する必要があります。
そうして成功イメージを明確にした上で戦略や戦術を検討するとよいでしょう。