ステークホルダーとは、

チームワークステークホルダーが多様であることもスポーツビジネスの特徴の一つです。

しかも、互いのステークホルダーの位置関係が状況に応じて微妙に変化するのも特徴です。

この項目では、ステークホルダーそのものについて理解していただき、さらにスポーツビジネスを取り巻く、それぞれのステークホルダーについて説明します。

ステークホルダーとは

ステークホルダー*(stakeholder) とは、企業や組織を支える関係者、あるいは利害関係のある人すべてを指します。

具体的には、顧客、従業員、株主、仕入先などがそれにあたります。また、地域社会や行政機関なども含めます。

ステークホルダーは、日本語で利害関係者などと訳されますが、「利害関係者」という表現が必ずしも実態にそぐわないため、最近は、カタカナでそのまま「ステークホルダー」と使われることが多いようです。

従来、企業は、顧客だけ、あるいは株主だけを重視するという姿勢で経営されることが多かったのですが、近年はコーポレート・ガバナンス(corporate governance:企業統治)*という考え方が普及し、ステークホルダー全体への配慮が必要であると考えられるようになっています。

スポーツビジネスもこの点は同じです。

というより他のビジネスよりも公共性が高いぶん、ステークホルダーへの配慮を重要視する必要があります。

スポーツにおけるステークホルダーとしては、顧客(ファン)、選手、運営スタッフ、対戦相手、株主、スポンサー、サポート企業、自治体、国、メディア、その他、多種多様な関係者、取引先などが挙げられます。

組織体とステークホルダーの関係を適正に構築していく上で、注意する点を述べておきます。

まずは組織の目的としての理念、未来像、価値の3つの項目を明確にしておく必要があります。

ステークホルダーには事前にこの3項目をはっきりと理解させ、主体となる組織の活動や取り組みに「協働」という意識と立場で連携してもらうよう確認を行っておくことが重要です。

組織とステークホルダーは、事業の成功確率を上げるための「パートナーシップ」の関係になるということです。

またスポンサーや協賛企業の要望を考慮することは当然ですが、あまりに偏り過ぎた場合には、ややもすると組織としての目的や成果が一過性のものに終わり、長期的かつ継続的な視点においては運営に支障をきたすこともあります。

したがって、組織はステークホルダーと協働すると共に利害のバランスを適正に調整し、運営していくことが大切です。

以下、代表的なステークホルダーを順に紹介していきます。

ステークホルダーのstakeはもともと「杭(くい)」「支柱」の意味。

昔、米国のカウボーイたちは、自分の土地の境界線上に杭を打って所有権を主張した。

これが転じてstakeは投資や利害関係の意味を持つようになった。

さらにstake=利害関係、holder=持っている人、ということで、利害関係を有する人々をステークホルダーと呼ぶようになったとされている。

*コーポレート・ガバナンス
企業の経営を組織全体で監視し、経営者の暴走や組織ぐるみの違法行為などを阻止する体制を構築し、実行すること。

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