インターナル・マーケティングの段階について説明します。
一般的に次の4 つの段階を経て実施されることになります。
経営陣が率先してサービス文化の確立を図る
インターナル・マーケティングの成功には、経営陣が率先して顧客サービス志向の企業文化を築くことが不可欠です。
経営陣が従業員に向かって「サービス業では、顧客満足が重要だから、日頃からそれを意識して働きなさい」などと口ではいっていても、実際には顧客サービスと相反する気持ちを持っていたり態度をとっていることが少なくありません。
それは、顧客サービスの充実には、方法や内容の差や違いはありますが、コスト面の問題をかかえているからです。
ホテルの従業員が、顧客の満足度を高めるために、ルームクリーニングのあと、顧客と話をするなど接する時間が長くなることがあるかもしれません。
またサービスの一つとしてホテル併設のフィットネスクラブの無料体験チケットを渡すといったことがあるとします。
これらのサービス行為において顧客が十二分に満足できる質のサービスを提供することと、十分な数の従業員を配置することは深い関連があり、コスト負担の増加につながりうるからです。
経営陣は常に目の前のコスト負担と顧客満足の向上とのバランスをいかに取るかという問題にさらされているのです。
スポーツ組織でも、似たような状況があります。
例えばサッカーチームの監督が、公には「ファンが一番大切」などと言う反面、選手には「ファンのサインに応じていると練習時間が削られるから断るように」などと言ったとしたらどうで しょうか。
もちろん無制限に応じるのは問題がありますが、監督がそのようなことでは、選手にファンサービスの精神がなかなか育ちません。
企業における経営 陣としての意識や行動が現場の責任者である監督にも求められつつあります。