インターナル・マーケティングの段階|情報の浸透と手法の開発

顧客満足

従業員へのマーケティング情報の浸透と共有

ホスピタリティ産業に限ったことでもないのですが、日常的な情報の共有が大切です。

サービス業では、イベントやキャンペーンなどを行うことも多いと思います。

その情報を職種に限らず全従業員に伝え、周知徹底するということです。

例えば、あるフィットネスジムで、期間限定で入会金無料のキャンペーンを 行っていたとします。

それを目当てに入会手続きをした顧客がいた場合、担当した従業員がキャンペーンのことを把握していなくて、顧客に入会金を請求した らどうなるでしょうか。

顧客は、そのフィットネスジムに不信感を抱くかもしれません。

いい加減なところだな、と失望するかもしれません。

いずれにしても気まずい雰囲気になることは間違いありません。

すると、いかに設備や指導方法などが優れていたとしても、そのサービスの 質は大幅に低下してしまうこととなるのです。

このようなことにならないように、キャンペーン、イベント、あるいはそれ以外のマーケティング情報についても、ミーティングやイントラネット*、掲示などでどの従業員でもきちんと説明し、対応できるように、情報の共有化への取り組みが必要でしょう。

*イントラネット(intranet)
インターネットのプロトコルを利用して構築した企業などの組織内のネットワーク。

人材管理のためのマーケティング手法を開発する

一般に「自分たちが給料を払っているので、従業員は自分たちの方針に従って業務を行うもの」と考える企業が少なからず存在します。

しかし、そのような発想では、従業員の不満が溜まり、せっかくの能力を発揮する場が創造されません。

このような企業は優れた人材を引き付けることが難しくなるのです。

また、せっかく優れた人材が入社しても、すぐに働きやすく条件の良い企業へ転 職してしまうかも知れません。

特にホスピタリティ産業では、優れた人材を失うことは顧客と従業員を一度 に失うことになり、その損失を回復することは想像以上に大変なことなのです。

そこで企業が顧客を引き付けるために様々な戦略をとるのと同じように従業員を引き付ける魅力を維持できるような戦略をとらなければならないというわけです。

いわば(顧客満足)ならぬES(Employee Satisfaction:従業員満足)を重視する体制づくりが必要となるのです。

具体的には、従業員にアンケートや意識調査を行い、従業員たちのニーズを把握することになります。

例えば、自分が働く目的、なぜこの会社を選んだのか、どの点に魅力を感じているか、会社の改善点は何か、どのような制度やシステムがあれば、やる気が出るか、などについて調査するのです。

いわゆる従業員向けのマーケティング・リサーチ(市場調査)です。それに応じて戦略を立てていくというわけです。

従業員自体は市場ではありませんが、このような調査により現状を正確に把 握する必要があるのです。

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