サービス産業としてのスポーツの特徴(1)-3

フィットネス

スポーツビジネスの主力製品は、サービスです。

では、サービスとは、何でしょうか?

意外にきちんと説明するとなると難しいものです。

そこで改めてサービスについて他のホスピタリティ産業と交えながら、特徴を少し整理しておきたいと思います。

サービスは無形である

ここでいうサービスには形がありません。

基本的にサービスをラッピングしたり、家に持ち帰ったりすることはできません。

旅行業の場合、旅行客が受け取るのは移動に使用する乗り物に乗れて指定の宿泊先に一定期間滞在できるという「約束」でしかありません。

またフィットネスクラブを例に挙げると、エアロバイク等の器具を設置しますが、器具の所有権が会員に移転するわけではなく、一定時間、使用する権利だけが与えられているのです。

当然ながら顧客はクラブを離れるときにはそれらの器具を持ち帰ることはできないわけです。

持ち帰れるのは、そこで得た体験や技術だけなのです。

サービスの価値は、顧客と共創するものである

サービスは、一般のモノとしてのプロダクトつまり有形財とは異なり、その価値は、提供者側とサービスの受け手である顧客との間で協働して創られるものです。

仮にレストランのシェフが腕によりをかけ最高級の素材を使用し、おいしい 料理を提供したと思っていても、素材や味付けを顧客が好まないのであれば、 結果として良いサービスを提供したとはいえません。

あるいは、顧客がステーキ の焼き加減にレアを望んでいるのに顧客の意向を聞かずにウェルダンで出して しまったりすると素材や味付けが素晴らしいものであったとしても、サービス の質自体は低い評価を受けることになります。

例えば、A チームがBチームに圧勝した試合の場合、A チームのファンは、「いい試合だった」と思うでしょう。

一方、B チームのファンも、選手の戦いぶりが素晴らしかったら、同じように「いい試合だった」と思えるかもしれません。

逆に結果は良くてもあまりにもだらしない試合内容であれば、「最低の試合」と酷 評することでしょう。

選手や試合自体に不満はなくても会場の誘導が上手くいかず入場に手間取ったり、チケット売り場のスタッフの態度が悪かったりといった理由でも、「あの チームのサービスは、良くない」という判断をします。

いずれにしても、すべてのサービスの質は、相当部分を顧客の感じ方に依拠 するものであることを忘れてはなりません。

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